エント・トレント
エント、もしくはトレントと呼ばれる樹人は、長い間生きた大樹が意思を宿した存在。巨人族と比べても劣らない怪力を持っていますが、巨人と違い見つけ難いのが特徴。
寝ている巨人はいびきをかいたり、動いていたら足音が響いたりしますが、エントは森の木に混ざりピクリとも動かないので、キャンプで火を焚いたらエントのそばだった…なんてこともありそうです。
エントの元祖は小説「指輪物語」に登場する「木のヒゲ」です。しかし昔から、木に宿る精霊が人間に知恵を授ける伝承は多くありました。
TRPGの「ダンジョン&ドラゴンズ」では、樹人はエントではなくトレント(Treant) という名前。これは版権問題を回避するため措置で、 ツリー(Tree)とジャイアント(Giant)から作られた造語です。
弱点は炎ですが、雨が降っていたり、川がそばにあったら火は効き難くなります。映画「ロード オブ ザ リング」で、エント軍団が魔法使いサルマンの塔を攻撃したとき、そばのダムを決壊させ火を消すシーンがありました。
指輪物語のエントは、神話に連なる存在が生み出した森を守る存在で、とても賢い生き物。D&Dのトレントはモンスターとしての色合いが強く、あまり賢くはないようです。どちらにせよ、森で火を使ったり、木を切り倒そうとすると敵対されます。
見た目は年老いた人間がイメージモデルで、体型も老人に似ています。腰周りの肉が落ち、背中が曲がった腰高な姿。
それに比べるとオンラインゲーム「ドラゴンズドグマ・オンライン」に登場するエント族は、末広がりのずっしりとした体型。
このゲームでプレイヤーキャラクターは、エントの背中によじ登って頭を攻撃できます。
映画「ガーディアンズ オブ ギャラクシー」に登場するグルートは、エントのような種族。
ホタルを飛ばして明かりにしたり、腕をツタのように伸ばして敵を縛り上げたり、素早く身長を伸ばして高い場所の物をとったりと、従来の樹人エントのイメージを覆すほど動きが多彩です。元祖エントは戦闘時以外はゆっくりとした動きですが、グルートは普通の人間と変わらない動きができました。
恐ろしいモンスターのエントですが、ファンタジー世界ではかなりレアな存在。エントがいるという噂の森に近付かなければ出会う事も無いでしょう。