バーバリアン・蛮族

この記事は6年前の投稿です

ファンタジー作品を作る上で考察が必要なのは、文明がどれくらい発達しているかという事です。
電気や機械のチカラが無い世界でも、何らかの魔力を使ってテレポート(大幅な距離を短縮する移動手段)があったり、テレパシー(現代世界でいうと、スマホのような個人間の連絡が簡単に取れる手段)があれば、必ず世界各地の文明レベルが上がるはず。
現代の地球上で辺境の場所でも、車や携帯電話など、ライフラインに関わるような文明品が真っ先に行き渡り、重要視されています。
つまりテレパシーやテレポートといった呪文や能力が使える世界観で、バーバリアン(野蛮人・未開人)が出てくるのは不自然ではないでしょうか。

ゲーム「conan Exiles」
画像引用:ゲーム「conan Exiles」

バーバリアン(Barbarian)とは、自分達を文明人、それ以外の国を文明の発達していない未開人とした視点で、蔑視的な意味が含まれた言葉。
中世ヨーロッパ時代、フランスやイギリスの人々がバイキングを野蛮と感じました。西部開拓時代の白人は、アメリカ先住民(インディオ、インディアン)を野蛮と感じ、ローマ帝国時代ならローマに属さない人々を蛮族と呼んだのでしょう。
ファンタジー作品において、バーバリアン(蛮族)は、筋骨逞しく頭よりも腕力を使って物事を解決するような人達を指し、辺境地域で粗野な生活を営んでいる部族がステレオタイプです。
そういう部族には、呪い師(シャーマン)や賢者と呼ばれる人がいて、相談役や物事を決める賢人会などを司っているのが定番です。
余談ですが、女性の蛮族の事はアマゾネスと呼ばれています。

バーバリアンの魅力は筋肉。いつの時代になっても人は頑健な体に憧れるもの。ちょっとくらいワイルドな方が、都会暮らしの人間からは魅力的に見えるのかもしれません。

イラスト バーバリアン

皆内ひなた2018イラスト「バーバリアン」

ファンタジー作品に登場するバーバリアンは動物の力を自身に宿して、尋常ではないチカラを得る「バーサーカー」や「ベルセルク(狂戦士)」と呼ばれる者も存在します。

バーサーカーとは?
語源はベルセルク(berserkr)という古ノルド語で、「熊(ber)の毛皮で作られた上着(serkr)をまとう」ことからその名がついたと言われています。
北欧神話に登場する異能戦士を指し、彼らは軍神オーディンから力を授かった戦士で、危急の際には自分自身が熊やオオカミといった野獣になりきって忘我状態となり、鬼神の如く戦います。
ベルセルクは動く物なら敵味方問わず襲い掛かったので、戦闘ではベルセルクと他の兵士は出来るだけ離して配備し、王達もベルセルクを護衛にはしなかったといわれています。

また「ベルセルク」や「バーサーカー」という単語は、職業に限らずスキル(特技)になっている事も。
防御を捨て攻撃に徹することで、一時的に攻撃力を増やす能力の場合が多いです。

小説ザンスの8巻「幽霊の勇士」では、野蛮人ジョーダンと幽霊馬のプーカ、悪魔の血を引く美女スレナディとの冒険譚が語られます。野蛮人のジョーダンは再生の能力を生まれながらに持っていて、例え頭が砕かれようと肉片さえ残っていれば数十時間かけて体を再生する事ができるのです。この能力は、腕力にものを言わせる冒険にはうってつけと言えるでしょう。

映画「コナン・ザ・バーバリアン」
画像引用:映画「コナン・ザ・バーバリアン」

蛮族が活躍する有名なファンタジー作品で、作家ロバート・E・ハワードによる1932年のヒロイック・ファンタジー小説「英雄コナン」(原題: Conan the Barbarian)シリーズがあります。
映画「コナン・ザ・グレート」は、同小説を映画化した作品で、蛮族コナンに扮する若かりし日のアーノルド・シュワルツェネッガーの美しい筋肉美を見ることができます。コナンを題材にした作品は、映画化が3回、ゲーム化が2回されるほどの人気です。

蛮族が出てこないような世界観でも、戦士が上半身や二の腕をあらわにして戦い、筋肉やマッチョ要素を補うことができます。
筋肉は逞しさ、そして野蛮な行動も納得できてしまう要素で、ファンタジー作品の魅力の一つ。
しかし筋肉の描写が誇張されればされるほど、生理的に受け付けなくなる人もいるのが玉にキズ。その辺りのバランスさえ取れれば、筋肉の魅力は益々輝くはずです。

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