ユニコーンと乙女
ユニコーンは一角獣とも呼ばれ、額の中央に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物。ゲームや漫画などのファンタジー作品で取りあげられることが多いです。語源はラテン語の「一つ」Uniと「角」Cornを合成した形容詞で、イギリスの国章にもその姿が描かれています。
性格は非常に獰猛ですが、穢れ無き乙女(処女)に抱かれるとおとなしくなるといわれています。さらにその角には、あらゆる毒を清める力があるとされます。
聖書にユニコーン
旧約聖書には、かつてユニコーン(一角獣)の存在が書かれた文章がありました。
現代の聖書では「一角獣」の箇所が「野牛」と訳されているため「一角獣」という訳語は見つかりません。しかし当時は「野牛」ではなくはっきりと「一角獣」と記されていたようです。
様々な姿のユニコーン
さかのぼるとドルイド教(イギリスの古代宗教)の民間伝承にたどりつくユニコーン。その姿は様々な解釈がありました。馬以外に「ヤギ」や「シカ」に似た姿で描かれていたり、角も必ずしもまっすぐではなく、なだらかな曲線だったり、鼻の上に生えている事もありました。ユニコーンと水には医薬的、宗教的な関係があったため、魚の尾がついていたり、アジアでは翼をはやしている場合もあったようです。体の色も白から黄褐色、茶色などバリエーションがあり、最終的には今の輝く白色に落ち着く形となりました。
ノアの方舟に乗れなかったユニコーン
ポーランド民話ではユニコーンは大洪水以前の動物とされています。ノアの箱舟にあらゆる獣のつがいを集めたとき、ユニコーンは飼い馴らしのきかない凶暴な性格で、他の獣を見境なく角で突きました。そこで、ノアは躊躇なくユニコーンを水の中に投げ込んだとされています。
小ロシア民話でもユニコーンはこれと似たようなことをしていて、自らの傲慢さのために自滅してしまいます。
ゲーム:モンスターハンターのキリン
白くほっそりとした体と、一本の角という特徴は似ていますが、モンスターハンターの「キリン」はユニコーンとは別物。中国神話に現れる伝説上の霊獣「麒麟」から創作されたモンスターです。モンハンのキリンは雷を纏う姿が美しく、幻獣という名前が良く似合います。
イラスト ユニコーン
ファンタジー世界には凶悪な外見や能力のモンスターが多いので、美しい姿で浄化能力があるユニコーンは癒し系モンスターと言えるでしょう。