ゴーレム

イラスト・ファンタジー

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この記事は2か月前の投稿です

「ゴーレム(Golem)」とは、ユダヤ教の伝承に登場する自分で動く泥人形で、ヘブライ語で「胎児」の意味。作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在。額にemeth(真理)と刻まれていて、最初のeの文字を消すとmeth(死)となり崩壊する有名な対処法があります。

ラビのゴーレム

ヘブライ文字だと表記は「אמת」で右から左へ読むため、一番右の「א」を消すのが正解。一番左の「ת」を消すと大変な事になってしまいます。伝承では土をこねて作るとあるので、泥というより粘土の塊のような物だったのではないでしょうか。

ファンタジー作品に登場するゴーレムは、神話や伝承に倣い土や石で出来ているものが多いですが、そのバリエーションは多岐に渡り、様々な素材のゴーレムがいます。

皆内ひなた2018イラスト「ゴーレム ランク リスト」

モンスターとして扱われるゴーレムは、人型で大きくて力が強く、感情や意思を持たないか乏しいのが定番。邪悪な存在というよりは、財宝や重要アイテムなど守る、障害物や強力な人型兵器(兵士)の様な扱いです。
ゴーレムの素材によって、強さや弱点が異なるのが面白いところです。ゴーレムにどんなバリエーションがあるのか調べてみました。

一番弱いゴーレムは、恐らくウッドゴーレムです。木製だけあって炎が弱点。
ゲーム「ドラゴンズクラウン」では、タルからウッドゴーレムを作り出すことができます。同じくゲーム「よるのないくに」では、呼び出して防御に役立つモンスターとして使役することが出来ました。

ウッドゴーレム
画像引用:(左)「ドラゴンズクラウン」ウッドゴーレム (右)「よるのないくに」従魔ウッドゴレム

クレイゴーレムみだし

マンガ「ダンジョン飯」に登場するゴーレムは、粘土のゴーレムイメージ。
同作に登場するドワーフ「センシ」は、ゴーレムを使って防衛と野菜を育てるという離れ業を同時に行っています。また、ゲーム「ドラゴンクエスト」に登場するゴーレムはレンガ製。粘土というゴーレムの基本形から、鳥山明先生のセンスで昇華させた形だと言えるでしょう。

クレイゴーレム
画像引用:(左)「ダンジョン飯」 (右)「ドラゴンクエスト」

ストーンゴーレムみだし

粘土だと弱いので、もう少し強いゴーレムを作りたい…ファンタジー世界で沢山ある素材といえば岩。ストーンゴーレムは、ゴーレムの中ではメジャーな存在です。

ストーンゴーレム
画像引用:(左)「ファイナルファンタジー14」 (右)「リネージュ2クラシック」フレイムストーンゴーレム

普通の岩で出来ているものから、溶岩で出来ているもの、大理石で出来ている豪華なものと、考えるだけで岩にも色々なバリエーションがあります。ゴーレムは体力があって装甲が堅いのが定番。この辺りのクラスから倒すのが困難になってきます。

フレッシュゴーレムみだし

フレッシュゴーレムは人間や、その他生き物の肉を素材にしたゴーレム。1818年イギリスで発行されたゴシック小説「フランケンシュタインの怪物」は、モンスターであるフレッシュゴーレムの原典的な存在。
ただ、ゴーレムは命令を聞くだけのモンスターという位置付けが定番ですが、フランケンシュタインは自我がありました。

生肉で作られたなら、石や鉄のゴーレムより弱いのでは?と思うところですが、ファンタジー作品に登場すると不思議に強いのです。原典「フランケンシュタインの怪物」では、強靭な肉体と、とても高い知能を持って描かれています。

フレッシュゴーレム
画像引用:(左)「The Elder Scrolls IV: Oblivion」ゲートキーパー (右)「BUSIN~Wizardry-Alternative~」フレッシュゴーレム

ゲーム「The Elder Scrolls IV: オブリビオン」では、シェオゴラス王国に繋がる門を守る番人として登場。マッドサイエンティストのような魔女が作り出した怪物で、体力がどんどん回復する強敵です。ゲーム「BUSIN」では、全10層のダンジョンで8層のボスとして登場。あらゆる状態異常に耐性があり、魔法も使いこなす強ボスでした。

番外 ゴーレムと動く石像

ゴーレムは感情や意思を持たない存在です。ゴーレムとは別に、石像などに魂が宿った存在は、動く石像やリビングスタチュー(生きる石像)と呼ばれます。
フランケンシュタインの怪物や、童話「ピノキオ」は自分の意思を持ち行動しています。意思を持った時点で、彼らはゴーレムとは呼べない存在です。
ギリシャ神話に登場する、鍛冶の神へーパイストスが作った青銅の巨人タロス(タロース、タローン)も、自分の意思を持ち動く自動人形(オートマタ)でした。

ボーンゴーレムみだし

ボーンゴーレムは、骨を素材に作られたゴーレム。不死(アンデット)モンスターではないので、ディスペルなどの聖なる呪文が効かないのが特徴です。
骨の組み合わせを工夫して腕や足の数を増やし、普通のスケルトンより凶悪な存在になっています。

ボーンゴーレム
画像引用:(左)TRPG「ダンジョン&ドラゴンズ」ボーンゴーレム (右)ゲーム「ソードアートオンライン」スカルリーパー

ソードアートオンラインに登場した、骨ムカデの体で鎌型の腕を持つ「スカルリーパー」このモンスターのアイデア元となっているは、ウィザードリィに登場した骨の怪物「サイデル」だと思います。骨の怪物「サイデル」はボーンゴーレムかな?と思い調べてみたら、正体は変り種の悪魔でした。鎌のような骨をもった生き物はファンタジー世界でも少なそうなので、サイデルに似た形のゴーレムを作るのは大変そうです。

アイアンゴーレムみだし

アイアンゴーレムは、その名の通り鉄で作られたゴーレム。ゲーム「ダークソウル」ではボスモンスターとして登場します。プレイヤーによほど強い印象を与えたのか、ダークソウルのアイアンゴーレムは、他のゲームのアイアンゴーレムと比べると多くのファンアートが描かれています。

アイアンゴーレム
画像引用:(左)「ダークソウル」 (右)ゲーム「ウィザードリィ ダイヤモンドの騎士」

「ウィザードリィ4 プレイングマニュアル(1981年発行)」によると、同ゲームのアイアンゴーレムは、体の中を血液の代わりに煮えたぎった真っ赤な鉄がめぐっていて、それを口から吐き出して炎のブレスが使えるとか。うーんファンタジック!

「鉄」より硬い「鋼」はスチールゴーレムとして登場するのかな?と思い調べてみたら…確かに鋼は英語でsteelですが、日本でスチールという言葉は「スチール缶」や「スチールラック」を連想させ弱そうなイメージなのか、スチールゴーレムはあまり登場しません。鋼素材のゴーレムも、アイアンゴーレムという言葉の中に含まれているように感じました。

希少なゴーレム

ここからは、珍しいゴーレムをご紹介します。

ゲーム「ドラゴンクエスト11」に登場するシーゴーレムはサンゴで作られたゴーレム。初めてこのゴーレムに会ったときは「こんなアイデアがあったんだ」とビックリしました。海底戦争のおり意思を持たない破壊兵器として作られた設定で、ファンタジー世界に人魚達の国があれば、サンゴや貝を素材にゴーレムが作られるのが自然です。

レアゴーレム
画像引用:(左)「ドラゴンクエスト11」 (右)「ワンダと巨像」

ゲーム「ワンダと巨像」は、天をつくような巨像が何体も登場します。この巨像は、魂が入った入れ物としてストーリーに絡んできます。ゴーレムのようなモンスターに自分の魂の一部を封印する…ファンタジーのネタとしてとても面白い着想です。

ゴム製のゴーレム?映画「ベイマックス」には医療ロボットとして、体がゴム素材で出来ているロボットが登場します。ゴムなので、体を大きくしたり硬くしたりと変えられるのが特徴。ファンタジー世界にも、人命を救う優しいゴーレムがいたら面白いかも?画像は、ベイマックスがゴムの体を利用して、落ちる男の子を助けようとしているシーン。

ベイマックス
画像引用:映画「ベイマックス」

ゲーム「スカイリム」には古代ドワーフの失われた技術で出来た「ドワーフ・センチュリオン」(ドワーフ百人隊長)が登場します。金色の銅像といった外見で、右手にハンマー、左手に戦斧が取り付けられていて、体から蒸気が吹き出ています。

スカイリム「ドワーフセンチュリオン」
画像引用:「Skyrim」ドワーフ・センチュリオン

同作品の中でドワーフ・センチュリオンは巨大な人型オートマトン(機械人形)となっています。ゴーレムというモンスターが進化していくと、最後に行き着く先は自我を持ったロボットのような生命体となるのではないでしょうか。様々な素材で作られ、いたるところで登場するゴーレムはファンタジー作品にいろどりを添え、更には機械人形や人造生命など、人が永遠のテーマとしている神への挑戦や生命の創造に繋がっていきます。