ジャイアント・巨人族
巨人というと、どんな姿を思い浮かべますか?
漫画「進撃の巨人」は、襲い掛かる巨人達と戦う人間達を描いたダークファンタジーで、とてつもなく大きい巨人や、体が装甲に覆われた巨人などが登場します。
古典的な巨人といえば、ギリシャ神話の大地母神ガイアの子供たち、ヘカトンケイル、キュクロプス、ティターンなどがいます。北欧神話だと、霜の巨人や山の巨人、日本の伝承だとダイダラボッチなど…世界各国に童話や伝承、神話が残っています。
宮崎駿監督のアニメ作品「もののけ姫」に登場するシシ神は、ダイダラボッチを元に創作されたキャラクターで、生命の授与と奪取を行う山の神でした。
巨人の中にもランクが存在する
ファンタジー作品に登場する巨人の多くは、体が大きくて力はあるけれど頭が悪いというのがステレオタイプ。人里はなれた島や山奥に住み、棍棒や大きな岩を投げて襲ってきます。ゲーム「スカイリム」に登場するジャイアントは典型的な下位巨人でマンモスを飼っていました。
そういう愚鈍な巨人は、知恵を使えば倒せるというのがパターン。イギリスの童話「ジャックと豆の木」に登場する巨人は空の上に住んでいますが、ジャックを追って豆の木を降りてくるところを、ジャックが豆の木を切り倒して落ちて死にます。
しかし頭が悪い巨人ばかりではありません。ギリシャ神話のティターンは神の力を強く受けついだ巨人族。神そのものとして描かれることもあります。そのような位の高い巨人族は、天候を操るような強力な魔法を使ったり、信じられないような生命力があります。
日本では、ティターンの事を英語の発音にもとづいてタイタンと表記する事もあります。ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する大地の召喚獣「タイタン」は、これを元にしていそうです。召喚獣のタイタンは「大地の怒り」という地震や地割れを起こす技を使います。
ゲーム「ゴッドオブウォー3」では、ゼウスの神殿があるオリュンポス山に攻め入る巨人達が登場します。体に木がたくさん生えた大地母神ガイアは珍しい女性型の巨人でした。
通常、ファンタジー作品に登場する巨人はほとんど男性です。巨人の国にはガイアのように女性型の巨人もいるのかもしれませんが、戦いの場に登場する女性巨人は少ないのかもしれません。
漫画「七つの大罪」に登場するディアンヌは、今風にアレンジされた女性巨人。体は大きいのですが、しぐさや性格は巨人と言うより普通の女の子です。不思議なキノコの胞子を使って、人間大サイズになることも出来ます。
絵本で好きな作品があります。セブンイレブンで配られている「森の戦士ボノロン」は、森の平和を守る巨人が登場するお話。心温まるストーリーで、ハードカバーの絵本も発売されています。
この作品、プロデュースを原哲夫先生が手掛けています。原哲夫先生は荒廃した世紀末を描いた「北斗の拳」が有名ですが、こちらの温かい世界観もステキです。ボノロン公式サイトではいくつかバックナンバーを読むことができます。
こうやって考えてみると、巨人は正統派なファンタジーモンスター(キャラクター?)様々な世界の伝承や神話に登場し、現代の作品でも取り扱われる事が多いようです。
大きい、というのはそれだけで価値があること。畏怖の対象にもなりやすいのかもしれません。